ほっとモナカのホットひと息

ブログ再開! 厭世気味にシャウトするよ。

台湾に行ってきたわんU^ェ^U その2

「国外逃亡を果たしたモナカを待っていたのは、また地獄だった。いかにも低緯度らしい熱気と湿気。国共内戦が生み出した新たな街。欲望と空腹、浪漫と疲労とをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここは中華民国のタイペイ。次回、『九份(きゅうふん)』。来週もモナカと地獄に付き合ってもらう」

 這々の体で地下鉄の駅へ戻り、台北駅から3駅目にあたる忠孝復興駅に向かいました。目指すは『千と千尋の神隠し』のモデルと噂される九份。僕はいつも心のどこかでノスタルジックな風景を求めています。地球の歩き方に載っていた写真を見て、この旅はこの場所を目にするだけで価値あるものになると信じて疑いませんでした。そういった期待は空腹と、日本より輪をかけて蒸し暑い気候にすべて持っていかれそうになりましたが……なにはともあれ、バス停を探すこととします。

個人でいらっしゃる人は少ないでしょうから、少し詳しく九份への行き方を。地球の歩き方のマップには、忠孝復興駅のすぐ近くに九份行きのバス停があるとされています。ですが、そこで待っていても乗り合いタクシーの勧誘があるだけです。日本語も英語も通じなくて、勧誘であることすら理解するのに苦労しましたが、こちらが「バス」と言えばアッチだよと指差してくれました。どうやらバス停はもっと北の方にあるようです。それに従ってしばらく歩くと長い列が見えてきます。やはりみんな考えることは同じようですね。日本語があちらこちらから聞こえてきました(見た目だけだと僕にはアジア人の区別がつきません)。運良く数分後にはバスがきました。妙にギザギザしたICリーダーに悠遊カード(Easy Card)をタッチします。そう、現地では車内両替が使えないのでカードを用意したほうが圧倒的に便利です。運賃は100元ちょっと。

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普通の路線バスなので郊外へ出て田舎道をぐいぐい進みます。時折本当に着くのだろうかと不安になるほどのどかな風景が広がります。たぶん、異国を知るにはこういった体験が一番なのでしょうけどね。二時間弱かかるのでケチらずタクシー乗ってもいいと思いますよ。さっきの話はどこへ行った

坂と急カーブが続くようになったら、まもなく九份です。

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うーん、故郷が港町だし似たような風景は見慣れてる……。

さっさとお目当てのアーケードを目指します。

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まだ日が暮れてませんが、異国情緒あふれる活気のある場所です。とりあえず食べたかったデザートをおばちゃんに作ってもらいます。

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削ったピーナッツ飴とアイス、パクチーをクレープで包んだもの。字面だけで美味しそうなので楽しみにしてました。が、なんだか微妙だ……。肝心のアイスがさっぱりしすぎというか無味で、ピーナッツのほのかな甘さをシャリシャリ楽しむだけの1品でした。

不安になりながらもお腹を満たすためにデカいソーセージを購入。これは夜市でも定番らしいので写真は撮ってません。夜市でまた食べることはなかったですけどね。想像通りの味でしたが安いし、空腹にはなんでも嬉しいのだ。

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てくてく散策します。昼の写真はあんまり本などには載らないので案外需要があるかもですね。夜に歩き回ることは考えないほうがいいです。あとでわかります。

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夜が楽しみです。ちょっと疲れたのでここらでフルーツといきましょう。

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マンゴー!! 安いし量が多い! 店のお兄さんは僕と目が合うと、「タベル? ノム?」とすかさず聞いてきました。どうして日本人だとわかるんだ。「タベル」と僕も片言で答え、海を見下ろしながら堪能しました。……熟れてないのが混じってるじゃんか(涙)

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気を取り直して次のデザート。台湾風ぜんざいの「芋圓」です。九份一の名物で、至るところにお店があります。僕は行列ができているところにわざわざ並びました。さっきのよくわからない一品と同じ轍は踏みたくないのだ。温・冷が選べるので「ツメタイノ」と店員さんにオーダー。さあ、「優しい味」と本で紹介されているこいつは僕を満足させてくれるのか……?

……優しすぎるわ!!

浮かんでいるのは、タロイモと小麦粉を練った団子、そしていろんな豆です。ここまではいいのですが、カップを満たしているものに問題があります。さながらシロップをかけ忘れたかき氷。それが夏の暑さに溶け切りそうな……そういった趣。きっと、具だけを食べろと、そういうことなのでしょう。味のない具を。ゴミ捨て場には食べてもらえなかった具たちがなみなみと積み上げられていました。君たちは悪くないよ。

気を取り直して(二回目)、散策を続けるとしましょう。お店を出るとちょうど日が暮れかかっています。

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どこから湧いてきたんだと思うくらいに日本人が増え、あちこちから「っぽいね~」「っぽい」「ああ、っぽい」と感嘆が。 ???「夕立がいっぱいいるっぽい~」

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 提灯が煌々と照らす石段……と言いたいところですが、立っているのがやっとの状態。人波は牛歩のごとく、とろとろと進みます。雰囲気もありゃしない。観光地化した宿命でしょうね。これはこれで良い経験です。

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大丈夫か、これ!? 

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昼と同じ建物。とても綺麗でした。スマホのカメラだと撮るのが難しい。いいカメラが欲しいです。

やっとのことで人混みを抜け出して、帰りのバス停に向かいます。普通の民家が建ち並ぶ静かな小道を進みながら今日の思い出を振り返りました。疲れ切っていますが、この後は楽しみにしている夜市が待ってます。台北の夜は長いのです。

九份へ個人で行く最大のネック、それは帰りです。バスはなかなか来ないくせに人はどんどん押し寄せてきます。あきらめました。タクシーにしましょう。バスの列に並んでいると乗り合いタクシーの勧誘が来ます。バスの3倍の運賃ですが、台北駅への距離を考えるとむしろお得じゃないでしょうか。話に乗ると、「ここで待っておいてくれ」と乗り合う人を待たされます。数分で、アラサーに見える日本人女性3人組が来ました。ところが彼女たちが相当厄介で……旅慣れてることをいいことに、中国語を駆使して運賃をまけてくれと係の人に迫りました。「いや、さっさと出発したいんだが……」と内心思いつつ、やり取りを眺めてると特別価格だから無理だと言われて一旦は引き下がりました。すると、今度は士林観光夜市へ同じ値段で行ってくれと頼み始めます。同時に、「いいかな、士林で」と僕に有無を言わさぬ勢いで訪ねてきます。まあ、行く予定だったのでいいでしょう。それより早く行こうよ……。

タクシーの運転手は陽気なおっちゃんで、士林行きも内緒で受けてくれました。運転までもノリノリで、路肩使って追い越しするわまったく減速せずカーブに差し掛かるわ……何の因果か助手席に座ってしまった僕は死を覚悟しました。キケンな台湾の夜道を後ろのおばさんお姉さんたちの愚痴をBGMに爆走! 「結婚した~い」って、そんなんだから男が逃げるんだろ

一時間足らずで士林に到着。台北の長い夜が始まります。

(つづく)