ほっとモナカのホットひと息

ブログ再開! 厭世気味にシャウトするよ。

最近読んだ本

僕が抱えているしょうもない(?)後悔の一つに読書記録をつけてこなかったことがあります。小中高校生の時に読んだ本の内容はおろか、手にしたタイトルでさえうろ覚えだったりするのです。小学生までは学校の図書室で我慢するしかなかった僕ですが、中学に上がってからは通学途中に図書館が2館もあるという恵まれた環境を手に入れました。まさしく水を得た魚のように、本棚の海を泳ぎまわる青春時代だったのです。しかしながら乱読が過ぎて、読んだ内容について考えを巡らせることはあまりしなかった。記録も無い中で、自分を作り上げてくれた作品をたどることもできない。そんな後悔があります。

結局今になっても記録をつけていないので前段を書きながらため息がこぼれてしまいました。せめてもの償いとして最近読んだ本の中の2つを紹介しようと思います。「全部紹介しろよ!」って感じですが、やっぱり記録が苦手なんですよね……。

  • ルポ 居所不明児童―― 消えた子どもたち

www.amazon.co.jp

新聞の読書案内コーナーで紹介されていた本。似たようなタイトルのルポがNHK出版からも出ていて、メモだけでは判別できなかったので在架中のちくま新書の方を借りてきました。

このルポで扱われているのは義務教育を満足に受けられなかった子供。なんと日本の話です。昨今、待機児童の問題やゲーム機を破壊する親などが取り沙汰されていますが、居所不明児童(つまり行政が把握できていない子供)が置かれている状況は極致と言えるでしょう。誰にも気づかれず白骨化して見つかる子供、親にそそのかされて殺人を犯した子供、そういった凄惨な事件が綴られています。最悪の結末を阻止できなかったことは無論行政にも責任があります。しかしながら児童相談所はパンク寸前であることも紹介され、対応の限界を示しています。無責任な親を生み出さないためにも、地域社会の連携が必要でしょう。僕は希薄な隣人関係が大きな弊害を生み出しているように思えてなりません。

 ネタになるかなと軽い気持ちで手に取った本でしたが、目を覆いたくなる惨状を知ることができ、問題意識を深められました。

www.amazon.co.jp

誰よりも「死を想った」彼がこの題名の本を上梓したことに大きな意味があると思います。麻薬での逮捕が空白の10年から抜け出す契機となったことは残念でなりませんが、似たような病を患ったことのある僕としては再生を願わずにいられないのです。大きな代償を背負わなければならないことは確かですが。

読み始めはイニシャルが多く出るあたり、エッセイなのかなと思いました。何人かは特定できますし(装丁の原研哉さんは彼の友人であり著名なデザイナーです)、置かれたであろう境遇が綴られています。ただし、彼のエッセイは軽妙な語り口が特徴であったはずです。高校生の時の僕はそれに影響された部分が大きく、一方で彼の小説の陰鬱さに衝撃を受けた記憶があります。思うにこの私小説と呼ぶべき作品は、彼の新境地ではないでしょうか。時と場所が自在に移り変わる回想の数々は、新しい文体と相まって夢うつつの世界をよく表しています。最後のお話に差し掛かったとき、生への希望を彼は見いだせたのではないかと確信しました。今後の原田宗典氏に期待したいです。

 

 気が向いたらこんな感じで読書記録をつけるのもいいですね。自分の中で整理する過程では文字にする作業も大事だなと気づきました。

でも、「君は淫らな僕の女王」の感想はさすがに書けないなぁ。

www.amazon.co.jp